こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
この記事ののタイトル
あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいったものがあれほど生きたいと願った明日
この言葉は、2000年韓国で160万部の大ヒットをした「カシコギ」という小説に出てくるフレーズだそうです。
僕はこのフレーズを目にするたび、身が引き締まると同時にあるできごとを思い出し涙が出そうになります。今回はその「あるできごと」についてお話します。
元カノと再会した話
「あるできごと」というのは、元カノに再会したときから始まります。
2010年、当時僕は目黒の会社で働くサラリーマンでした。
夕方にケータイが鳴り、表示された番号をみると見慣れない数字。でも、ちょっと馴染みのある数字という感覚を持ったことを覚えています。
普段は知らない番号からの電話は出ないのですが、そのときはなぜか電話に出ました。
声の主は、元カノでした。僕が20歳のときに付き合っていた同い年の彼女でした。電話口でどんな話をしたかはっきり覚えていません。たぶん他愛もない話だったと思います。
自然と「機会があればごはんでも行こうか」という話になりました。ふたりだけじゃ良くないので、共通の友達と一緒に3人で会うことになりました。
会った当日、他愛もない話をしながら食事をしました。
でも少し気になっていることがありました。
なんで、長いあいだ音沙汰がなかったのに、突然電話をくれたのか
その答えはその日の別れ際に判明しました。
別れ際、彼女は急に神妙な顔になってポツポツと絞り出すように話しはじめました。
いま脳腫瘍におかされていること
そして、余命はそんなに長くないこと
を話してくれました。
人生を振り返ったとき、元彼である僕にも話しておくべきと思ってくれたそうです。そして勇気を振り絞って先日の電話をしてくれたということを知りました。
頭が真っ白になりました。
その日、どうやって家に帰ったか覚えていません。たぶん電車で帰ったのですが、どういうことを考えながら帰ったのか全く記憶に残っていません。それだけ衝撃的な告白でした。
いまの僕ができることは何かを真剣に考えました。
考えた結果、気がついたときにでもメールなど連絡をして、少しでも気が紛れるようにしよう。と思いました。
それから気がついたときにメールを送るようにしました。本当に他愛もない内容です。
しかし、数ヶ月が過ぎるころになると、僕も仕事がたて込むことが多くなったり、彼女の通院や治療のタイミングとも合わなくなる事が多くなり、次第に連絡を取り合うことが少なくなってきました。
結果、彼女は2013年に亡くなってしまいます。
彼女は歌が好きでした。
歌がものすごく上手でした。
もし病気が治って元気になったら、人前で歌うという夢を話してくれました。
昔からドリカムが好きだったことを知っていたので、あるときドリカムの事務所にメールで彼女の話を僕の想いを連絡したことがあります。
それから、数週間後、ドリカムの吉田美和さんから直筆のメッセージをいただいたこと、彼女に渡したら泣いて喜んでいた姿を今でも覚えています。
彼女が行なっていた脳腫瘍の治療は抗がん剤治療です。副作用もあり辛いそうです。そんな中、希望を持って前向きに治療に取り組んでいました。
あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいったものがあれほど生きたいと願った明日
この言葉を目にするたび彼女のことを思い出します。
そして、「今」はこの瞬間しかない、大切に生きようと強く思うんです。
まとめ
「明日、自分がいなくなるかもしれない」
それをリアルに考えた時、「今」が気に入らないなら、今すぐに今を変え始めるべきです。死を意識すれば「先送りにする」なんていう時間の無駄はしなくなります。
これからも僕は前を向いて生きていこうと、彼女の生きたかったぶんまで強く進もうと思っています。