こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
「オフショア開発は成功しない」
「オフショアなんてやるもんじゃない」
「オフショア信者ってまだいるんですね。。」
なんて意見をたまに見聞きすることがあります。
ぼくは長年オフショア開発を活用しています。
ぼくとしては、こういったネガティブな意見に対して100%否定もしないし、かといって100%同意もしてません。
ただ、そこまで全否定するのはよくないなぁと思っています。
やり方さえ間違わなければ、オフショアをうまく活用できていると考えているからです。
今回は、オフショア開発についてぼくなりの考えをまとめてます。
本当にオフショア開発する必要はありますか?
「オフショア」という言葉が広く知られるようになって、しばらく経ちます。
またそれに伴い、オフショア開発のメリットとデメリットも色々なところで活発に議論されるようになりました。
オフショア開発をするメリットは色々ありますが「コストが安い」というのが一番わかりやすいメリットではないでしょうか。
しかし、オフショア開発にリスクがあるのも事実です。
リスクやデメリットが目立っているせいで、オフショア開発に踏み込めない企業も多いです。
まずはメリットとデメリットを理解し、本当に自分のプロジェクトにオフショア開発は必要なのかどうかをよく検討するべきです。
オフショア開発は難しいものと心得る
どんなビジネスにもリスクはつきものです。
オフショア開発も例外ではありません。
オフショア開発の失敗例として
・設計と全く違うものができてしまった
・納期を守らない
・想像していたよりクオリティが低い
などが良く聞かれます。
「オフショア 失敗」というキーワードで検索すると、山ほど失敗事例を見つけることができます。
確かにオフショア開発は難しいです。
でも考えてみてください。
社内や国内のエンジニアをうまくマネジメントするのも四苦八苦するのに、言語や文化の違う人のマネジメントが簡単なわけがないですよね。
オフショア開発は、魔法の杖ではありません。
まずは、オフショア開発は難しいものだということを肝に銘じることが大切です。
安さをオフショア開発の目的にすることが失敗のもと
「コストの安さ」というのが代表的なオフショア開発のメリットです。
しかし、コストの安さを一番の目的としてオフショア開発を選ぶのは間違いです。
どうしても私たちは、
「物価の安い海外へ外注できればコストが抑えられてその分利益が得られる」
という安直な幻想を持ってしまいがちです。
気をつけなければいけないのは、海外でも「安かろう悪かろう」はあるということです。
へたすると、日本国内よりもクオリティに雲泥の差が出る場合も少なくありません。
安さに目が眩むと道を踏み外す危険があります。
適正な価格と求めるスキルのバランスを見極めることが大切です。
オフショア先の選別のポイントは
・あまりにも安価な提案には注意する
・コピペと思われる提案内容は基本無視する
・実績をしっかり確認する
・連絡のレスポンスが良いか確認する
オフショア企業の中には、安さを武器にかなり強引に契約をせまってくるところもあります。
なので、正式に契約する前に納得するまでコミュニケーションを取ってパートナーとしてうまくやっていけそうか正しく判断するようにしましょう。
失敗する原因は大抵コミュニケーション不足にある
プロジェクトをうまく進めるためには、1にコミュニケーション、2にコミュニケーションです。
コミュニケーションがプロジェクトの成功を決めると言っても言い過ぎではないです。
コミュニケーションを円滑にするための方法として、「コミュニケーションのルール化」を強くオススメします。作ったルールをオフショア先担当者と共有し、厳守するようにします。
以下にコミュニケーションルールの例を紹介します。
・ソース管理はBitbucketのプライベートリポジトリを利用する。こまめにソースをコミットする
・基本的にはメールでやりとりをする。特別な理由がない限りは24時間以内に返信する
・1週間に1度はSkypeでミーティングを行なう(音声だけよりビデオが望ましい)
・細かい仕様の確認は、Google Docs で行なう
これはひとつの例ですが、こういったようにルール化することで半ば強制的にコミュニケーションの場を作ります。言葉や文化の違う人達が一緒に何かを行なう場合は、ルール化することが一番効果的です。
文化や国民性を理解することがまず大切です。
理解したうえで、最適なマネジメントをするべきです。
文化や国民性の近い国と取引きする
ぼくは過去3年間タイで事業をしていましたが、向こうにいる間に知り合ったアメリカ出身の友人がいます。
彼はマーケティングの専門家なのですが、その彼がふと
「文化が近い国とビジネスをやると、だいたいうまくいくんだよ」
と言っていました。
いわく、
ビジネスをするには、文化や国民性が少しでも近い国と取引きしたほうが良いとのことでした。
その彼は、様々な国と取引きをしているため、肌感覚として得た知見なのだと思います。
日本にマッチするのは、ベトナム、ミャンマー、シンガポールです。
アメリカも日本と合う国のひとつです。
逆に日本とマッチしないのは、中国、インドです。
自分の意見をゴリゴリ押してくるような国民性は、日本人には合いにくいです。
国民性とあわせて、オフショア先を選ぶ際のポイントを以下にまとめてみます。
・レスポンスが早いこと
・スムーズなやりとりができること
・信頼感があること
・話す内容におかしな点がないこと
・前向きな姿勢が見て取れること
成功の秘訣は「三方よし」
成功の秘訣は「三方よし」を求めることです。
もともと三方よしとは、近江商人の商売理念といわれるもので
「売り手」「買い手」「世間」
の三方それぞれにとって良い状態のことを言います。
これをオフショア開発に言い換えてみると
「受注側」「発注側」「オフショア企業」
の三方と言えます。それぞれにとって良い取引きであるべきです。
商売をする上で、三方のうちどれかひとつでも損をするような関係を作るべきではありません。
まとめ
オフショア開発のポイントは、慣習の違う人といかにうまくプロジェクトを進めていくか、です。
国によって、それぞれ違った商慣習や仕事のスタイルがあります。
日本から見ると理解しがたいこともありますし、逆に海外から見ると日本のやり方を理解するのが難しい部分もあるわけです。
そういった中で、どのようなリスクが想定され、どのようにリスクヘッジをしていくか、
そして、コミュニケーションを仕組み化していかに円滑に進めることができるかがとても重要です。
今後はますます海外の労働力は大きな力になっていきます。
これを味方にしない手はないです。