こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
デザイナーの美的感覚で作ったサイト、上司の意向で作ったサイトがあります。
しかし、コンバージョン率の側面から見ると、それが本当に正しいサイト構築とは言えない場合が多いです。
直感や経験則だけでビジネスを進めてしまうのはリスクを伴います。
感覚に頼るだけでなく、データを活用することで効果的な対策をすることができます。データをもとにものごとを進めることを「データドリブン」と呼びます。
データは嘘をつきません。扱いかたを間違えなければ、データはビジネスの強力なツールになります。
以前どこかの記事で、元Google社員が書いた記事を読みました。
そこには「Googleを辞めた理由はデータドリブンすぎるから」とありました。
たしかに、人によって好き嫌いはあると思います。
しかし、データドリブンにするにはそれなりの理由があるからです。今回は、コンバージョン率最適化、特にテストについて、データドリブンの側面から考えてみます。
データドリブンテストとUXテスト
データドリブンテストとUXテスト、それぞれのテストについて見てみます。
データドリブンテスト
データドリブンとは、効果測定などで得られたデータをもとに、次のアクションを起こしていくこと。(参照元サイト)
データをもとにテストを進めることを、データドリブンテストと呼びます。
テストを行う際には、まず仮説を立てテストによって仮説の検証を行います。そして、そのテストで得られたデータをもとに、次の仮説を立ててテストを繰り返します。
UXテスト
一方、UXテストでは、ユーザーの声や行動データを集めて、客観的に分析しテストを行います。
厳密に言うとユーザーの声や行動データもデータになりますが、データドリブンと違い、UXテストはデザイナーや運用担当の経験則やアイデアがテストのクオリティを左右することが多いです。
良いテストはポジティブインパクトを得ることができる
ポジティブインパクトを得ることができるテストが、良いテストと言えます。
ポジティブインパクトとは、良い結果が得られたり、意味のあるテスト、次につながる有益な情報を得れることを言います。
ある米国の企業が、データドリブンテストとUXテストを行い、それぞれで得られるのポジティブインパクトを計測しました。調査結果は以下のようになりました。
・データドリブンテストで得られるポジティブインパクトは、テスト全体の77%
・UXテストで得られるポジティブインパクトがテスト全体の10%未満
データドリブンテストはUXテストに比べ、7.7倍効果があるという調査結果が出たということです。もちろん、UXテストでもポジティブインパクトを得ることはできます。しかし、有益なテストになる割合がデータドリブンよりも劣るため、費用対効果が低いわけです。
データドリブンテストでコンバージョン率を上げる
データドリブンテストを成功させるポイントについてまとめます。
論理的で地道な検証を繰り返す
・HIPPOを最重要としない(HiPPOとは?)
・データにもとづいた良質な仮説を立てる
良質な仮説を立てるのにLIFTモデルが便利です。以下の過去記事に詳しく書いていますのでよければチェックしてみてください。
優先順位をつけ効果の高い順から着手する
・テストの優先順位をつけることが大切
・効果の高いテストから順に行う
効果的な優先順位をつけるのにPIEメソッドを参考にしてみてください。
テストプロセスを決定し共有する
テストプロセスを決定し、社長や上司へも共有しましょう。
あらかじめプロセスを決定しておくことで、HiPPOなどのテストの失敗要因が入る隙を、なくしておくことが大切です。
またテストツールを活用することも、テストプロセスを決定するのに有効です。データを正確に取得でき論理的にテストを進めることができます。
以下の過去記事では、モバイルアプリのA/Bテストツールを紹介しています。ウェブサイトでも利用できるツールも含まれていますので、参考にしてみてください。
データドリブンテストを成功させるに以下が大切です。
・良質な仮説立案
・ツール利用による正確なデータ収集
・データに基づいた分析・解析
テスト結果の良し悪しに一喜一憂せず、淡々とこなすことがコンバージョン率向上の近道です。