先日、iPhoneのビジネスモデルについて話しましたが、今回はもう少し視野を広げてAppleのビジネスを読み解いてみます。
ブランディング
Appleは「ブランディング」がうまい会社だとよく言われています。
まずは、ブランドを持つことのメリットを挙げてみます。
・価格競争にならなくて済む
・広告費が削減できる
・競合との差別化ができる
・新商品のマーケティングが容易になる
ところで、ユーザーから見ると、Apple社やApple製品はどのように映っているでしょうか。
「なんか見た目がかっこいい」
「使いやすい」
「サポートやサービスが素晴らしい」
「Apple製品を持つことがステータス」
「スティーブ・ジョブスはビジネスの神様」
などなど、そのほかにも色々と思い浮かぶと思います。
大雑把な言い方になりますが、
こういったユーザーから見た印象が「ブランド」ということになります。
こういったブランディングをすることによるAppleとしてのメリットは、
・ファンを抱え込める
・値引きをしなくても売れる
・ハイエンド商品(高額商品)を出しても売れる
・商品リリースのコストを押さえられる
など、ブランディングによりこういったメリットを享受することができます。
Appleビジネスモデルのベースとなっているもの
Appleのビジネスモデルのベースとなっているものは、
ずばり「ブランディングによるプレミアム感」と「顧客生涯価値の最大化」です。
Step1. ブランディングによるプレミアム感
まずはブランディングです。
・おしゃれな見た目、わかりやすい操作の商品
・Apple製品を持つことがステータスという認識を広める
・手厚いサポート・サービス
Appleのブランディングは、プレミアム感を出すことで、新しい顧客を得るためのマーケティングの要素を多く含んでいると言えます。
Step2. 顧客生涯価値の最大化
そして、顧客生涯価値の最大化による利益の獲得です。
・新製品の発表
・関心を集める
・古い製品への不便感を感じさせる
・新製品を購入する
このサイクルを回すことによりAppleは利益を得ます。
この2つのStepをぐるぐる回すことで、 マーケティング→利益→マーケティング→利益→….. という循環を作っています。 これがAppleのビジネスモデルのベースとなっているのです。
Appleの今後を予想
僭越ながら、Appleの今後について予想してみます。
新商品・新技術の開発
Appleは既存のビジネスを行いながら、今後もどんどん新規事業や新商品、新技術の開発にお金を回していきます。先日発表されましたがiPad Pro、Apple Music などの新商品や、3Dタッチなどの新商品や新技術が良い例です。
中国市場進出の加速
中国への進出も加速していくことが予想されます。中国の大きな人口と、Apple製品のコピー品が出回るほど、Apple製品を持つことのステータスが定着しています。中国ほど、Appleにとっては美味しい市場はありません。
富裕層をターゲット
今まで以上に富裕層向けのハイエンド商品を出すことも予想できます。 高い商品が売れるなら、安い商品をたくさん売るより高い商品を販売したほうが、利益を上げるには効率的です。また高額商品を発表することで「プレミアム感」というブランディングにもより効果的です。
先に書いたとおり、マーケティングと利益化をベースに強力なビジネスモデルを武器に、より一層大きな市場を狙うだろうと思います。
また、商品の価格帯も上がることはあっても、下がることはないでしょう。
もし万が一(ないと思いますが)将来Appleが価格が安い商品を出すようなことがあれば、それはAppleのビジネスが揺らいでる証拠と言えるかもしれません。
ビジネスのヒント
それでは最後に、私たちのビジネスに活用する視点で考えてみます。
ポイントは
・どんな職種であれ、ブランディングは重要な武器になる
・ビジネスモデルのベースは、「マーケティング」→「利益」を回す仕組みを作ること
・価格設定もブランディングの要素になる
・ちょっとした気遣いやサービスをすることがプレミアム感を出すポイント
・メインビジネスを安定させて、時間とお金に余裕を作り、ビジネスを広げる