こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
以前こんな記事を書きました。
今回は、これに関連してIoTとAIは犯罪対策にどのように役立つのかについて書いてみます。
1984の世界に近づいているのか
ジョージ・オーウェルの描いた世界が現実のものになりつつあります。
「1984」で描かれた監視社会は、テクノロジーによって人間の自由を制限する世界でした。
しかし、うまくいけば、僕たち人間にとって、テクノロジーは自由を制限するものではなく、警察やデジタルフォレンジックのサービスを変え、犯罪対策を助けるものになるかもしれません。
インシデントレスポンス(コンピュータやネットワーク等の資源及び環境の不正使用、サービス妨害行為、 データの破壊、意図しない情報の開示等、並びにそれらへ至るための行為(事象)等への対応等を言う。)や法的紛争・訴訟に際し、電磁的記録の証拠保全及び調査・分析を行うとともに、電磁的記録の改ざん・毀損等についての分析・情報収集等を行う一連の科学的調査手法・技術を言います。
デジタル証拠の確保が図られることによって、コンピュータセキュリティを積極的に維持することができます。
(参照元)
IoT機器によってデータが収集される
GoogleやApple、Amazonなどよってスマートデバイスと呼ばれるIoT機器が既に広く市場に出回っています。ここでいうIoT機器とは「モノインターネット」と呼ばれる、インターネットに接続された機器のことです。
IoT機器から収集された情報は、防犯に役立てることができます。
犯罪を防ぐためにこういった新しい技術を活用することは大きなメリットががあります。
(それと同時にプライバシーに関する問題を持っているのも見過ごすことはできない事実です)
ゲームコンソールやスマートウォッチなどのIoT機器からも、犯罪を解決するための貴重な情報を収集することができます。
そして、IoT機器から収集された情報は、すでに世界中の法執行機関によって利用されています。
時計、電話、テレビ、その他の機器が市場に出回り、これらのIoT機器への依存度が高まるにつれ、犯罪を分析して解決するためのより多くの防犯対策ができるようになるわけです。
将来、その人が犯罪を犯すかどうかを評価できる?
人工知能の予測アルゴリズムに基づく予測は、イギリスのいくつかの法執行機関や警察で活用されているそうです。
たとえば、英国の警察では、HART(Harm Assessment Risk Tool)と呼ばれる高度なシステムを利用しています。(参考記事)
HARTは、個人のデータベースを使用し、近い将来に別の犯罪または犯罪を行う可能性をランク付けします。
将来の犯罪を犯す確率は、大規模なデータセット(ビッグデータ)の助けを借りて計算されます。ここで使われるデータの中には、IoT機器で収集されたデータも含まれます。
HARTでは、2008年から2013年の間に収集された、現在の犯罪、犯罪歴、行動履歴に基づいて人々を評価するそうです。
これって、トムクルーズが主演したSF映画「マイノリティ・レポート」の世界に近いですよね。
現在、HARTの予測アルゴリズムは完全ではないそうですが、現実にこういったシステムの実用化が進んでいるわけです。
まとめ
AI(深層学習や機械学習)による予測技術などのデータ駆動型のアプローチは、世界中の法執行機関によってますます多く活用されていくはずです。
IoTとAIの助けを借りることで、犯罪を解決するプロセスが今までよりもはるかに迅速に効果的になります。
IoTとAIは、世界を良くするための協力なツールになりえます。
しかし、ちょっと使い方を間違えると「1984」のディストピアになりかねません。
ワクワクするのと同時に、ちょっと怖いという感覚があります。
正しい目的を持った、適切なIT技術の活用が大切です。