AppleのiPhone収益から今後の展開を予想

ITビジネス戦略・ビジネスモデル研究

こんにちは、荒井(@yutakarai)です。

Appleが新型iPadを発表しましたね。
低価格版の製品という位置付けです。

ここでは、前回発表されたiPhoneの収益から、今後のAppleの事業展開を考えてみたいと思います。

事業の成長には、低価格のモデルが必要

どうしてAppleがスマートフォン市場を支配しているのか。
Appleが事業をより成長させるためには、低価格のモデルが必要かもしれません。

僕は、今回発表された廉価版iPadにつづき、他の製品ラインナップについても低価格モデルが必要ではないかと考えています。

ジョブスが1985年にAppleを去る前の目標は、利益率22%以上を得られる価格に設定することでした。

当時はPCの黎明期だったため、当時の利益率は35%〜40%でした。
それに比べると、ジョブスの考える利益率は低かったようです。
当時のMacの利益率も同じ範囲にあったはずです。

ジョブズが1997年にアップルに戻った時点で、PCの利益率は20%以下に縮小していました。現在では、PCの利益率は5%近くになる場合もあります。
にもかかわらず、Apple製品(Mac、iPhone、およびほとんどのハードウェア製品)の利益率は、引き続き35-37%の範囲を継続しています。

僕はこれには2つの要因があると思っています。

要因1

ジョブスの当初の目標は、少なくとも22%の利益率を維持することでした。
その目標は、Appleの現在の経営陣のルールとして深く刻まれています。
新しい製品を開発する際も「最低限の利益率は22%」と見込んでいるはずです。

要因2

Appleは、あらゆるカテゴリーで発表する製品のプレミアムプロバイダーを常に目指してきました。これは、Macが1984年に発表されて以来ずっと続くもので、Appleの社員や、長年のAppleファンにとっては特に真新しい話ではありません。いまやAppleは、ハイエンド戦略の代表格としての地位を確立しています。

最近発表されたスマートスピーカー「HomePod」は、この戦略の良い例です。

ローエンドのスピーカー設計でアシスタントを提供することに重点を置く他のホームスピーカーとは違って、Appleはプレミアム思考にしたがい、品質の高いスピーカーを発表しました。

Appleがスマートフォンのシェアを獲得している

下の図は、Appleのプレミアム商品への取り組みが、スマートフォン市場の地位にどのように影響するのかを表しています。
左の図が収益、右の図が出荷数についての図です。

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前回発表された四半期には、Appleはスマートフォンが収益のシェアを獲得しました。

サムスンは同四半期のすべてのスマートフォン収益の15.7%で2位でした。
面白いのは、ローエンド製品を含む「その他大勢」のスマートフォンが、全体の26.3%を占めているという点です。

Appleの総収入の伸びも印象的です。

Appleの第1四半期(2017年9月〜12月)は、ほぼすべてのカテゴリで伸びています。
これは、高い利益率を持つプレミアム製品に焦点を当てた結果と言えます。

僕は、Appleは今後も、プレミアム製品による高い利益率の戦略から大きく外れるとは考えていません。

しかし、今後数年間に多少の価格変動が見られるんではないかと思っています。

Appleといえど価格競争にならざるをえないのか

スマホ市場は、いまだに成長を続けています。ただ、それはiPhone、iPad、iPod、そしてMacを含む何億ものiOSデバイスと結びついているため、成長しているわけです。

今後これ以上にAppleが成長し続けるためには、Appleは毎年新しいiOSデバイスを発表し続けて、世界中で販売する必要があります。

プレミアム価格は現在のAppleにとってはうまくいきますが、今後のスマートフォンのビジネスを維持するのであれば、AppleはiPadやMacの価格を考え直す必要があるんではないかと思います。

プレミアム製品とプレミアム価格でAppleを利益に導くことは可能ですが、Appleがサービス事業の拡大を続けていくためには、品質を多少落としてでも、利益率が若干低くなるような製品を作らなければならないかもしれません。
そういった製品が、Appleの利益に大きな貢献をすると思うのです。