こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
最近、アマゾンがAI採用システムの利用をやめたことがニュースになりました。
このニュースは、技術の本当の姿を伝えてくれていると感じました。
IT技術は負を加速させることもある
AI(人工知能)を含めた「IT技術」は負を加速させるという側面があります。
今回のアマゾンの例でいうと、以下のような流れがあったため、負の側面が加速してしまいました。
過去のアマゾンの技術職への応募者は、大半が男性だった
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結果的に採用された人は男性が多くなった
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その採用データを学習したAIは男性が好ましいと認識してしまった
AIは過去のデータをもとに最適解を導き出します。
アマゾンがAI採用システムの利用をやめたのは、いたしかたなかったと思います。このままAI採用システムを活用し続けていたら、間違った意思決定をしてしまったかもしれません。
質の高いアウトプットを得るには質の高いインプットが必要
以前のブログ記事にこんなことを書きました。
「ビッグデータを活用しよう」という大号令のもと、社内のデータをかき集めてもそれだけではゴミの状態のケースが多いです。
実際は、名寄せやデータ成型など、データを加工して活用するケースがほとんどです。データを活用するには、インプットするデータの質が非常に重要です。
質の高いアウトプットを得るためには、インプットデータの質が最も大切です。
「AIにデータを渡せば、あとはヨロシクやってくれて、素晴らしい情報を出してくれる」
というのは完全な幻想です。
そんなわけはありません。
期待しているアウトプットを得るためには、質の高いインプットデータの仕様を決めることが最も大切です。
インプットデータを決めるのはAIではありません。
人間です。
AIシステムの開発プロジェクトは、大半がインプットデータの定義や整備(前処理など含む)に費やされます。ものすごい泥臭い作業です。
インプットデータを質の高いものにしなければ、アマゾンが陥った失敗のように、負の側面を加速させてしまうことになりかねません。
技術に使われるのではなく使いこなす
AIに限らず「技術(テクノロジー)」は、僕たちの生活やビジネスを進化させてくれます。
インターネットが生まれ、地球の反対側にいる友達とも時間のロスがなくコミュニケーションがとれるようになりました。コミュニケーションの広がりとともに、それを利用したビジネスもたくさん生み出されました。
同じように、今後AIが活用されることで、僕たちの生活やビジネスを進化させてくれるでしょう。
しかし、技術をしっかり理解し使いこなしていかなければ「負が加速する」という結果になってしまいます。
最近、AIが幻滅期へ入ったというニュースがありました。
AIに対する期待度が高すぎました。
AIへの期待度が高すぎて、実際にAIができることやできないことに目を向けていなかったのが原因です。
いままでボヤッとしていた「AIってなんか凄いらしい」というイメージから、だんだん実際のAIの姿が理解されつつある段階です。
まずは、流行りに流されずに技術をしっかり理解しようとすることが大切です。
そうしなければ、いつまでたっても技術を使いこなすことはできません。
組織の規模に関わらず、技術に対する理解や経験値を上げる努力をすることです。その先にビジネスを加速させるひとつのツールとして、AIという選択ができるようになると思うのです。