こんにちは、荒井です。
海外のスタートアップの事例を通して、新しいビジネスアイデアのきっかけや、ビジネスのヒントを得ようという主旨で、毎回気になった海外スタートアップを紹介しています。
今回紹介するAIビジネスの事例は「Blue Matador(ブルー・マタドール)」というサービスです。
システム障害を予測するAIプラットフォーム
Blue Matadorには3つのソリューションサービスがあります。
- 無料システムモニタリングサービスの「WatchDog」
- AIによるシステムログ管理サービスの「Lumberjack」
- AIによる障害予測サービスの「Firefighter」
この3つのソリューションによって、Blue Matadorは、システム開発とシステム運用にとっての強い味方になります。
システムのモニタリングサービスというのは、既に色々とありますが、このサービスのポイントは、AIを活用してシステム障害を予測・通知してくれる、という点
です。
いままでは、システム障害が起きてから適切な対策なりを実施し、障害を解決するのが普通でしたが、このBlueMatadorは普段からシステムログを監視していて、そのシステムログから障害の可能性を判断し、障害が起きる前に、警告通知をしてくれます。
これはとても画期的なことで、障害を事前に察知して、障害が起きたとしても、最小限に被害を食い止めることができるわけです。そうすることで、システムを強固に保つことができるし、結果的には、顧客満足度も向上させることができます。
サーバーの問題に関連するデータを見つけるのに、10秒以上を費やすということ自体が問題である
というふうにBlueMatadorのCEOは考えています。その問題を解決するために、集中管理されたログ管理ツールと、AIによる障害予測システムを開発たということです。
日本でも「システム障害を検知するサービス」というのがいくつか出ています。
富士通などの大企業から、スタートアップ企業まで、AIを活用したモニタリングサービスというのが出ています。「システム障害モニタリング AI」みたいなキーワードで検索してみると、色々と出てきますので、是非チェックしてみてください。
異常検知はAIの得意分野のひとつ
異常検知などの分類処理というのは、AIの得意とするもののひとつなので、モニタリングデータから異常検知して障害を予知する、というのはAIにとってはもってこいの分野になります。
一部では、「AI技術が発達することで、将来は、AIに仕事を取られるんじゃないか」みたいな話をしている方もいますが、今回のBlueMatadorのようなものが広く普及したところで、いままでのシステム管理者や運用者の仕事が、根こそぎAIに取られるというわけではないと思います。
しばらくの間は、人間の仕事のサポート役としてAIを活用する、というのが理想の形なんじゃないかと思います。
まとめ
今回紹介したBlueMatadorもそうですが、AIの得意分野である、異常検知と通知、人間の得意分野である、状況を把握して適切な処置を行う、AIはあくまで人間の業務のサポート役という視点でAIビジネスを考えてみると、たくさん良いサービスが生まれてくるんじゃないかなと思います。