こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
AIをビジネスに活用したい
こういったご相談をよくいただきます。
AIが流行っていますし「○○社が○○のためのAIを導入」というようなニュースもよく目にしますので、「自社でもAIを」となるのは自然な流れです。
しかし、いくら流行りの優秀なツールでも使いかたを間違えると痛い目を見ることになります。
AIが使えるようになるまで時間がかかる
ざっくり言ってしまうと、AIは何かしらの入力を受けて、結果を出力します。
出力結果の精度を高めるためには、沢山のデータで学習する必要があります。AIが与えられた役割を遂行するためには、学習が必要ということです。
AIシステムが完成したからと言って、そこで終わりではありません。この「AIに学習させる」プロセスに時間がかかります。
開発に着手する前に、まずAIに期待する出力の精度を決めることが大切です。定量的ゴールと定性的ゴールを設定することからはじめましょう。
定量的なゴールの例としては、
「精度が何パーセント以上は必要か」
また、定性的なゴールの例としては、
「どんな出力であれば評価できて、それは誰が判断するか」
などです。
AIには「得意なこと」と「不得意なこと」がある
AIの流行りもあり、「AIは何でもできる」と勘違いされてしまいがちです。しかし、実際にAIというものがどういったものなのかを知ると、意外に活用場面が少ないことに驚きます。
AIには「得意なこと」と「不得意なこと」があります。
・予測(需要予測、エラー発生予測)
・検出(スパムメール検出、異常検出)
・生成(画像生成、文章生成)
・ルール化された業務
・人間的な対応(おもてなし、こころづかい)
AI導入のご相談いただくのですが、お話を聞いてみると、AIではなく既存のシステム導入のほうが合っているということも多いです。まずは、自社の実現したい目的にAIが合っているかどうかということを判断することが先決です。
失敗しないためには「ムダのない適切な活用」
まずは「AIはあくまでもツール」という認識を持つことが大切です。AIを使うことを目的にしてはいけません。
失敗しないためには、ムダのない適切な活用が必要です。つぎにポイントを2つ紹介します。
データの整備をしっかり行う
データが一番大切です。データがよくなければ、AIから出力されるデータも良い内容ではありません。
ビジネスでAIを活用する場合は、社内のデータを使うことになります。社内に蓄積されたデータは、御社の貴重なノウハウの結晶です。とはいえ、AIで活用するためには整備が必要なことが多いです。
まずは社内データの整備をしっかり行うことが大切です。以下の記事でも紹介していますので、参考にしていただけたらと思います。
一歩ずつプロジェクトを進行する
これまで弊社でいくつもAI導入プロジェクトに携わらせていただいていますが、プロジェクト開始から運用に至るまではステップを踏んでいます。ステップごとに一歩ずつ進めることが大切です。
おおまかに以下のようなステップの流れになります。
1.要件定義
2.データ整備・検証(PoC)
3.システム構築
4.運用
順々に進めていくわけですが
上記2のPoCで、小さなプロトタイプのAIシステムを作ってどのくらいの精度がでそうかを検証することになります。
この検証の段階で、ビジネス活用で許容できる精度かどうかを判断するわけです。
問題なさそうであれば、システム構築に入るという流れです。
ただ、データの内容や要件によっては精度が出ない場合があります。そのときは、場合によってはプロジェクトの方向性を変えるという英断も必要です。
このように、小さなステップで一歩ずつプロジェクトを進行することで、失敗するリスクを回避していきます。
まとめ
失敗しないためのポイントをまとめます。
・AI活用を目的としないこと
・実現したいこと(ゴール)を明確にすること
・AIの得意なこと不得意なことを知ること
・実現したいことにAIが合っているかを判断すること
・小さなステップで進めること
ムダのない適切な活用をこころがけ、もっとビジネスを盛り上げていきましょう。