人間の脳は全体の10%程度のパフォーマンスしか発揮することができず、生涯をかけて学習できる知識量には一定基準の限界があるとされています。
しかし人間のように自分で思考し自己学習する「AI(人工知能)」であれば、人間のように学習したことを忘れることなく効率的に知識量を増やすことができます。
つまり人間の限界を超えたパフォーマンスが可能になるのです。
でもよく考えてみてください。人間にできないことができるということは、現在ある職業のほとんどをAIが代行する時代が来てしまうということだと思いませんか?
AIは便利で素晴らしい技術だと安心しきってはいけません。
みなさんが担っている仕事をAIに奪われる時代は、もうすぐそこまで来ているのです。
現在の仕事の90%はAIに奪われる
AIに関する研究は世界中の研究機関で行われていて、日を追うごとにAI技術は目覚ましく進歩しています。
AIの市場規模は2018年の時点で5,301億円で、2030年には2兆1,286億円にも上るといわれているので、世界がAI技術にどれだけ注目しているかがわかりますね。
イギリスの有名大学であるオックスフォード大学は、このままのペースでAIの技術が進歩すると現在ある仕事の90%はAIに置き換えられるという正式な研究結果を発表しました。
たとえばコンビニの店員や工場の作業員、教職などの公務員職に関しても、業務をAIが代行してしまう可能性があるのです。
AIには2種類のタイプがある
人間の仕事のほとんどをAIが奪ってしまうというお話をしましたが、なんの理由もなくこのようなことを言ったわけではありません。しっかりとした根拠があります。
世間一般では「AI」とという言葉で一括りにされていますが、AIには以下の2種類のタイプがあります。
特化型人工知能
なにか1つの分野に特化自己学習するAIを「特化型人工知能」といいます。
代表的なものでいえば画像や音声の認識などがありますが、近年大きな話題を呼んだのが囲碁AI(AlphaGo)と将棋AI(Ponanza)です。
過去の棋譜や思考パターンを学習させたAIと、世界的に有名な棋士による正式な試合が行われましたが、その結果はAIの圧勝で幕を閉じました。
人間側において「天才」と呼ばれる棋士たちが成す術もなくAIに敗北したことで、特化型の人工知能は一気に注目を集めました。
汎用人工知能(AGI)
1つのタスクしかこなせない特化型人工知能とは違い、汎用人工知能は意思を持って学習して思考することでマルチタスクをこなせる技術を身につけました。
このように文章だけで説明するのは難しいですが、わかりやすい例えとしては「ドラえもん」をイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
どんな問題に対しても自分の意志で思考して対策を導き出し、最善の方法で解決する。そういったことができるのがこの「汎用人工知能」なのです。
これからどのような働き方が必要になるのか
ここまでの説明で、AIがどれだけ優秀な技術なのかということをイメージいただけたと思います。
では、これから私たちはAIとどのような関係性を築いて、どのような働き方にシフトする必要があるのでしょうか?
①AIトレーナーが必要になる
AIは自己学習することができるとても優秀な技術ですが、ある程度の設定や教育は人間の手によって行わなければいけません.
そうなるとAIのトレーナー(教育者)的な存在が必要不可欠であり、AIが普及すればするほどそれに比例してAIトレーナーが必要となります。
②AIを管理する存在が必要
現段階においてAI単体で最高のパフォーマンスを発揮することは難しいといわれています。
そうなるとAIをしっかりと管理して、企業との架け橋となる存在が必要になります。どの範囲を人間が担当してどこからをAIが担当して作業を進めるのかを、勘や経験則といったあいまいなものではなく、データによって導き出された知見から管理者が意思決定をします。
この考え方は「データドリブン」といいますが、AI技術がさらに発展すればこの考え方はとても重要になるといわれています。
③個人の特性を磨く
AIが進化すると人間の仕事のほとんどが奪われるといいましたが、AI技術の進化はけっして悪いことばかりではありません。
日本を含めた海外諸国では、AI技術が進化することで無駄な作業工程を削ることができるという理由から、AI技術の発展にポジティブな考えを持っている人がとても多いです。
単純な計算処理や雑務をAIが処理できるようになれば、会社はその分自社の改革に力を注ぐことができます。さらには人材を育成できる余力が生まれるので、個々のスキルや得意分野を伸ばすためのコーチングにより多くの時間を割けるようになります。
AI技術が普及することによって人間の仕事が減るのは避けられませんが、考え方によってはより良い環境つくりのためにAIを有効活用して共存することもできるのです。
さいごに
今回の記事では、AI技術の進化によって将来的に人間の仕事の大半が奪われるというお話をさせていただきました。
1つのタスクに特化した「特化型人工知能」、マルチタスクを可能とする「汎用人工知能」があれば、天才と呼ばれる人間たちを凌駕するほどのパフォーマンスを発揮することができます。
どのような分野を担当してどれだけ作業効率を上げるのか。そういったことを考えていけば、人間とAIの最善の共存方法が見つかるはずです。