「A/Bテストのテスト箇所が多すぎて、どこから手をつけたら良いかわからない」
こういった悩みは、A/Bテストを考えた時によくあります。
効率的にA/Bテストを行うためには、優先順位の高いテスト箇所からテストを実行していくことが大切です。
今回は、優先順位を決めるときに便利な「PIEメソッド」を紹介します。
PIEメソッドとは?
PIEメソッドとは、テスト箇所の優先順位をつけるための手法です。
テスト箇所を洗い出してみると一見するとどれも大切なように思えてきます。
そういった優先度が見極めづらいものを、手軽に順位付けできるのがこのPIEメソッドの魅力です。
PIEは「Potential」「Importance」「Ease」の頭文字を取っています。
この3つの要素について、それぞれ1から10の数値で評価し、すべての数を加算した和によって、優先順位を決めていきます。
それぞれの要素について見ていきます。
PIEメソッドの3要素
Potential
PIEメソッドのPとは、Potential「可能性・潜在性」を表しています。
「このテスト箇所は、ビジネスにどれだけ良いインパクトを与えるか」という可能性を数値で評価します。
良いインパクトを与える可能性が無いのであれば1、この可能性が強いほど数値は高くなります。
一見すると可能性を評価するというのは曖昧になりがちですが、アナリティクスの数値、ユーザーの声、そして今までの経験に基づく基準を判断材料に評価していきます。
Importance
PIEメソッドのIとは、Importance「重要度」を表しています。
Iが測るのは、改善箇所の重要度です。
誰も使わない機能やそれほど大切でないページであれば1、重要度が増すほど数値は高くなります。
ここでは、そのページのトラフィックの量や、ROI(投資対効果)なども「重要度」の評価基準となります。
Ease
PIEメソッドのEは、Ease「簡単さ」を表しています。
Eが測るのは、改善にかかる工数です。
改善にかかる工数が低ければ低いほど、簡単さは増します。
改善にかかる工数が高ければ簡単ではないということなので1に、
工数が低いほど簡単ということなので、数値は高くなります。
ここでは、技術的な工数だけでなく、もしその改善が関係各所の連携が必要な場合や、発生するコミュニケーションコストも「簡単さ」の評価基準としましょう。
評価の合計を算出する
3つの要素の評価が決まったら、それぞれの合計を算出します。単純に3つの和を算出します。
P+I+E
合計値が高いほど、優先順位は高くなります。
優先順位は唯一のもの
PIEメソッドを利用した優先順位の測り方を紹介しました。
しかし、ベストな優先順位というものはありません。
世の中にはたくさんのビジネスがあり、ビジネスによって目的や提供するサービス、ターゲット顧客も違うわけです。それぞれのビジネスによって、優先順位の基準が違います。
あなたの作る優先順位も唯一なものになるはずです。他のビジネスの情報には振り回されないことが大切です。
PIEメソッドを利用することによって、あなたのビジネスに最適な優先順位をつけていきましょう。