こんにちは、荒井(@yutakarai)です。
AIの役割はあなたが期待していることとは違う
世界中の企業やビジネスマンや消費者は、AIがオートメーション分野において重要な役割を持っていることを知っています。
ただここには大きな勘違いがあります。
ほとんどの場合AIの役割は期待されていることとは違うということ。
この勘違いの大きな原因はずばり
誇大広告による過大評価
です。
ありがたいことに、弊社には様々な企業様からAIの導入についてお問い合わせをいただいています。しかし実際にお話を聞くと、AIに対する過度な期待感を持たれているケースが多いです。
・適当にデータをAIに渡せばうまいことやってくれるんでしょ?!
・営業担当がやっているお客さんへの提案をAIに代行してもらいたい!
・長年の経験と勘による作業をAIに覚えさせれば、新人への引き継ぎも楽になる!
上記はほんの一例ですが、AIによって様々なアイデアをお話いただきます。
しかし、AIは万能ではありません。
お話する機会をいただけた場合には、実際にAIが活用できること、できないことなど含めてお話をさせていただき、多くの場合、現実に目を向けていただくことが多いです。
AIができること
企業が「AI」について語るとき、ほとんどの場合、機械学習について語られることが多いようです。中にはディープラーニングの領域の場合もあります。
機械学習とは、統計的ロジックを使用して、
・傾向
・パターン
・特性
・属性
・データ構造
などを理解し、新しい結果を出力するものです。
これは、自動運転車ロボットほど面白くないように思えます。SF映画で描かれているような未来を実現するものではありませんが、現在の機械学習技術を推進する高度な統計モデリングは、様々なビジネスに多くのメリットをもたらします。
AIを活用するにはデータが必要
AIを活用するために、もうひとつ非常に重要なものがあります。
「データ」です。
AIは、データがなければただの役立たずになります。
弊社にお問い合わせいただく企業様の中には
「アイデアはあるけどデータがない」
というケースが多いようです。
・過去のデータは紙で保存してある
・手書きの書類をPDFで保村してある
・メールの履歴に過去データがある
などなど。
大きなくくりで考えると上記もデータではあるのですが
AI活用で必要なデータは
「構造化されたデータ群」
です。
具体的に言うと「データベース」です。
最低限、エクセルやCSV形式で保存されていればなんとか使えます。
構造化されたデータがない場合
AI導入を見越した最初の一歩として
まずはデータ整備から始めましょう、ということになります。
AI導入が成功するか否かは深い業務知識による
AIは数学という土台の上に立っています。
結局のところ、数学は数学です。
今後ますます多くの企業がAIの活用やオートメーションに向けた取り組みが活発になるでしょう。競合企業もは御社と同じ数学にアクセスできるようになるということです。
そこで、御社を際立たせるのは御社の深い専門知識/業務知識です。言い換えるなら御社のノウハウです。
機械学習は、機械が人のように作業したり、人を機械に置き換えたりするものではありません。データを取り込み、データの傾向を学習し、洞察を出力するだけです。
人間が気づかなかった洞察を出力する可能性はありますが、それらの学習を解釈して実行可能にするかどうかは、依然として人間に依るところが大きいです。御社のビジネスと業界を深く理解しているAIの専門家が必要になります。
内製化に向けて小さく進める
AIに限らずシステム開発プロジェクトは以下3つのパターンがあります。
1.完全に内製化
2.外注に丸投げ
3.コンサルを雇いIT内製組織を強化
1はAIベンチャーと呼ばれる企業が多いです。
AIを活用しようとする企業様は、現状2が一般的ではないでしょうか。
弊社としては、3をお勧めします。
詳しくは上記ページに書いていますが、
スピードが早い不確実性のいまの時代に生き残るためには、ITシステムの内製化が不可欠と考えています。
前述したとおり、最新の技術を使ったからといって競争優位性は高まりません。
御社のノウハウとかけ合わさって初めて御社の強みが活かされます。そのためにはITシステム内製化に向けた取り組みが必要だと思うのです。
近年活発化しているAI活用やオートメーションの競争の勝者は、数学が得意な企業ではなく、
機械学習と人間の洞察を活用して自社のビジネス課題を解決できる企業です。