こんにちは、荒井です。
海外のスタートアップの事例を通して、新しいビジネスアイデアのきっかけや、ビジネスのヒントを得ようという主旨で、毎回気になった海外スタートアップを紹介しています。
今回紹介するAIビジネスの事例は「KingFit」というサービスです。
糖尿病予防の教育と管理のためのAIアプリ KingFit
KingFitは、糖尿病患者のために、糖尿病教育とモチベーション向上のために設計された、モバイルアプリです。1アメリカのスタートアップサービスで、数名の糖尿病の専門家がKingfit監修しています。
2017年7月現在はベータ版ですが、HPからベータ版アプリの利用申請ができるようになっています。
増え続ける糖尿病患者
糖尿病について少し調べたので、ここで紹介したいと思います。
糖尿病は大きく分類すると、2種類に分けることができるます。「1型糖尿病」と「2型糖尿病」というものです。それぞれ原因が異なり、特に2型の中でも、さらに細かく原因を分類ことができるそうです。
2型糖尿病が、現在の糖尿病患者の約95%を占めていると言われています。
(糖尿病参考ページ)
アメリカでは、毎日5,000人が2型糖尿病と診断されています。そのくらい糖尿病患者が日に日に増えているということです。しかも、そのうちの95%の患者は、そもそも糖尿病はどういったものか、糖尿病を予防するにはどうすればよいか、などの糖尿病についての教育を受けていません。
そういったアメリカ国内の状況を改善したい、という思いのもと、このKingFitというサービスが生まれました。
KingFitを利用することで
- 糖尿病について学ぶことができる
- 治すにはどうすれば良いかわかる
- 医療費を抑えることができる2
KingFitの主な機能
このKingFitアプリには、様々な機能が備わっています。
- 自分の健康状態を記録できる「健康日記」機能
- 動画や記事によって糖尿病について学べるコンテンツページ
- 動機付けのための通知機能3
Watson AIを搭載
機能の中には、IBMの人工知能技術4が搭載されているものもあります。
Kingfitの「ヘルスコーチ」と呼ばれる機能でAI技術を利用しています。
ヘルスコーチは、24時間365日、困ったことがあれば、AIが適切なアドバイスをしてくれるという機能です。
また、AIを使っている機能に「SOSボタン」という機能もあります。これは食事についてのアドバイスをしてくれる機能です。
例えば、「今日の昼ごはんは何を食べたらいいか」迷ったときにこの「SOSボタン」を押すと、AIがその人の病状やこれまでの行動などから、その人用にカスタマイズされたランチメニューとレシピを提案してくれます。
糖尿病患者が日に日に増える状況で、こういったアプリはとても意義のある役立つサービスじゃないかと思います。
医療分野でのAI活用シーン
日本でも、医療の世界でのAIの活用が広がっています。「AIがレントゲン写真からガン細胞を見つける」など、ニュースでも聞いたことがあると思います。
医療分野でのAIの活用シーンでは、
- 医療現場でのAI活用シーン
- 一般ユーザーのAI活用シーン
と2種類に分けられます。
レントゲン写真からガンを見つけるというのは、「医療現場での活用シーン」になります。
対して、今回紹介したKingFitは、「一般ユーザーのAI活用シーン」になります。
いずれにしても、医療のサポート役としてAIを活用する、という点が大切ではないかと思います。
最近も「人間の仕事を全てAIに置き換える」という論調が目立ちますが、今回紹介したKingFitのように、人間のサポート役としてAI技術を活用した素晴らしいサービスがどんどん出てきたら良いなと思います。
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この記事は以下ポッドキャストで話した内容を記事にしたものです。
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